はんぶんこ
[別れと出会い](1/33)

侑士と付き合うことになり、それを知った
咲良が黙っていなかった。
どうやら咲良は侑士が好きらしかった。

いつから?もしかしたら、
あたしをシカトし始めた理由は、
侑士があたしを好きだから、かもしれない。

今まで直接は何もしてこなかったが、
ここにきて突然あからさまなイジメを
してくるようになる。

私物を捨てたり、わざとぶつかったり、
ノートや教科書に落書きしたり

「小学生かよ。」

あたしは呆れて、気にもしていなかったが
それが気に入らない咲良は次の手に出る。
取り巻きの男子を使って脅しにかかる。

「また同じ目に遭いたいの?」

図書室にやって来て、あたしを男子達が囲む。

「ふざけんな。本気じゃないくせに。」

あたしは怯まない。ただの脅しで、
本気じゃないのは見れば分かる。

「なっ!あたしは本気よ!
ほら!あんた達!!」

咲良が取り巻きにそう言うが、

「いや、無理だって
先輩達逮捕されてたじゃん。」

と、男子達は完全にビビっている。
不良でもない真面目な奴らばかりだ。
こんな事態に逃げ出したいだろう。

「何よ!もう!使えない!
あたしの言うこと聞けないなら
もう近付かないで!!」

咲良はヒステリックに声を上げ、
すると男子達は次々にため息を吐いて

「もう付き合ってらんねぇわ。」
「見た目可愛いだけで性格最悪だし。」

などと口々に言い、図書室から出ていった。



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