平成徒然草(仮)
[♯7](1/2)

 作家交流の掲示板を覗いてみると、プロの作家になりたいと語る少年少女が多数見られる。そんな私も、プロになりたいと願う若者の一人だ。

 そのために、小説の創作と批評を学べる大学に進学し、まだまだ付け焼き刃の域を脱していないにせよ、その道の専門的な知識身につけてはいる。

 そして、プロの作家になるにはどうしたらいいか。ある程度の答えにたどり着いた。



 プロになる最大の近道として有名なのは、直木賞や芥川賞などの新人賞に応募することであると、大半の人は思うだろう。それはあながち間違いではないが、完璧な回答ではない。

 芥川賞は伝統的な形式を重んじる賞であり、ライトノベルや児童文学はそれだけで弾かれてしまう、純文学専門の賞である。作家自身の経歴も審査対象となり、過去に水商売のアルバイトが発覚して賞を逃した女性作家もいた。

 直木賞をはじめとしたその他の賞は、もうけ話とは切っても切れない関係にある。極端な例はライトノベルの新人賞で、選考の時点でアニメ化などのメディアミックス戦略が構築されている。仮にプロになれても、20・30もの作品の企画を強制され、そこで売れないと断定された作品は、原稿の執筆すらさせてもらえないのだ。

 理由の差異はあれど、日本の文学の敷居の高さは凄まじいものである。経験が大切なのは言うまでもないが、それ以上に周囲の反応やニーズを見極め、それに最新の形で応えていくことが重要なのである。

 では、プロの作家になる一番の近道とはなんなのか。やはり職業作家とは、凝り固まった形式や金の流れを把握した、ごくごくわずかな人間の特権なのだろうか。



 否。直木にも芥川にも関わらず、簡単に作家になる道が一つだけある。

 そう。それは……。



- 15 -

前n[*][#]次n
/1051 n

⇒しおり挿入


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?

[編集]

[←戻る]