平成徒然草(仮)
[♯3](1/2)

 先月の29日、カナダのケベックにあるイスラム教系のモスクが、27歳の地元の学生によって銃撃され、14人が死傷する事件が起きた。

 確かにイスラム教と聞くと、テロをはじめとした凄惨な事件を否応なしに連想してしまう。そこに私たちとまるで違う生活様式、アメリカやヨーロッパで起きている難民問題が出てくると、どうしても悪いイメージばかりが浮き足だってししまう。

 でもそんなマイナスなイメージだけが、イスラムの全てじゃない。そんなものはアルカイダ、ボコ・ハラム、ISIL などのほんの一部の過激派だけ。穏健派のイスラム教徒の人達は、他の宗教の人達と一緒に暮らせる日を願って、日々努力している。

 別に僕は、毎日指定の時間に礼拝するわけでもなければ、日曜日にミサに行くわけでもない。ここで話した知識も、ネットでかじって知ったもの。結婚式は教会でやって、子供の七五三は神社でやって、葬式はお経を読んでもらうだろう。旗から見れば、宗教問題に付け焼き刃の知識をひけらかして言葉をかざせる立場じゃないかもしれない。

 でも、だからこそ、イスラムにもキリストにも仏にも染まっていないからこそ、柔軟な立場から語れるんじゃないかと思う。

 信じてる神様が違ったって、同じ人間なのに変わりはないのだから、根っこの部分は必ず同じなはず。したっぱ兵士が銃を突き付け合い、重役のおじさんが電話越しに経済がどうのといった駆け引きなんかしたって意味がない。僕たちの子供にまで、その対立関係が受け継がれるだけで、誰も幸せになれない。

 一組のテーブルと椅子に腰かけて、一杯のコーヒーを片手にお互いの思いを語り合う。そうすれば共通点の一つや二つ、山のように見つかるはず。

 僕はそう思う。平和が嫌いな人間なんて、いるわけがないのだから。



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