反鏡の二人
[考え方は違う](1/38)
次の日、光の呼び出しに応じまた学校へと訪れた


皆の反応は変わらない


悠と昌を避けるか、逆に話題のマトにするか


やっていることは違えど本質は同じ


特別視、それも悪い方にだ


まあ別にそれはいい


自分たちに向けられるものに対しては、わかっているし理解している


だが


「おはよう悠君、昌君」


笑顔で話しかけてくるこの少女にだけは、そんな視線を感じて欲しくない


「萌、あまり俺たちに近づくな」


昨日あんなことがあったのに、それでも近くに来てくれる


それは非常に嬉しい


だが、その結果萌が悲しむことにはなって欲しくない


「ううん、私ね、やっぱり、悠君も昌君も大事な人だから……そこだけは譲りたくない」


強い目だ


萌は時折、非常に頑固になる


そうなったら悠といえど、その意思を挫くことは簡単ではない


……そもそも挫きたくない


……萌山、昨日は……


「大丈夫だよ昌君、昌君が私たちのことを思って言ってくれたのはわかってるから。私も……きっと明ちゃんも……


いつも萌の隣にいた明の姿はない


それだけが心配だ


そこだけが……心残りとも言える


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