反鏡の二人
[考え方は違う](1/38)
次の日、光の呼び出しに応じまた学校へと訪れた
皆の反応は変わらない
悠と昌を避けるか、逆に話題のマトにするか
やっていることは違えど本質は同じ
特別視、それも悪い方にだ
まあ別にそれはいい
自分たちに向けられるものに対しては、わかっているし理解している
だが
「おはよう悠君、昌君」
笑顔で話しかけてくるこの少女にだけは、そんな視線を感じて欲しくない
「萌、あまり俺たちに近づくな」
昨日あんなことがあったのに、それでも近くに来てくれる
それは非常に嬉しい
だが、その結果萌が悲しむことにはなって欲しくない
「ううん、私ね、やっぱり、悠君も昌君も大事な人だから……そこだけは譲りたくない」
強い目だ
萌は時折、非常に頑固になる
そうなったら悠といえど、その意思を挫くことは簡単ではない
……そもそも挫きたくない
「……萌山、昨日は……」
「大丈夫だよ昌君、昌君が私たちのことを思って言ってくれたのはわかってるから。私も……きっと明ちゃんも……」
いつも萌の隣にいた明の姿はない
それだけが心配だ
そこだけが……心残りとも言える
- 145 -
前n[*]|[#]次n
⇒しおり挿入
⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?
[編集]
[←戻る]