この手に指輪がある限り
4・[怪盗とメガネ](1/5)






「きききき緊張する…」



「大丈夫よルイちゃん〜!めぐみんも一緒についててあげるから。」






指輪の御披露目のリハーサルを繰り返すこと少時間。




ついに御披露目会兼パーティーが華やかに幕開けた。





この、私がいる舞台裏の向こうで。






田村や田村父は今、財界の偉い方々と楽しげに談笑しているらしい。




「こういうのも仕事のうちなんでな。緊張してる時に近くに居られなくて悪いな」と言って田村はさっさと会場に行ってしまった。





別に田村が居たところで、緊張するものには変わりはないのに。



そんなこと言われたら、

まるで…私には田村しかいない!田村そばにいて!って私が望んでいるみたいではないか。


腹が立つ。






舞台の向こうから響く、上品なグラスの音。
笑い声。



私にはなじめない世界だ。







「あ〜!めぐみんも、ちょっとカンパリソーダを一杯だけ〜飲みたい〜!我慢できない〜!」




「ええっ!めぐみん!めぐみんがそばにいてくれないと怖くて待機できないよっ!」




「ちょっとだけだよお〜!御披露目までにはすぐ戻ってくるから〜」




「めぐみんコラァァア!」




「ごめ〜ん!」





そうして、めぐみんは会場へと消えていった。







私は舞台裏で一人…





の、はずだったのに。









「…へえ…今回の田村グループのお宝は素晴らしいな…」




誰かが背後から私の腕をつかみながら、そう言った。






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