この手に指輪がある限り
3・[宝としての仕事](1/24)
父さんと、黒ずくめのメガネ…田村雅人と言い争ってから
二時間後。
「…デカい屋敷」
「うちの屋敷」
真っ黒メガネの後ろを着いて、屋敷の中を歩いていた。
メガネは妙に楽しそうにしている。
いわゆる、ここがあの有名な「田村御殿」。
私たちの住む郊外から30分。
ビルが突き立ててある大都会に突如として現れる、広い平野。
田村グループの関係者のみが出入りを許される場所。
「すごい所に来ちゃったな…」
「おら!よそ見しないでついてこいよ指輪!」
メガネはもうすっかり猫をかぶる気がないらしく、おぼっちゃまらしからぬ言葉づかいで私を怒鳴る。
「指輪あ?」
「俺はお前を指輪として買ったから、指輪として扱うからな」
「なっ…この鬼畜!変態サディスト!」
「ああん?指輪のくせにそんな口聞いていいの?」
「んがあああああっ」
ムカつくムカつく!
もうさっそく限界がきた!
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