▽抱きしめた温もり ( 1 / 3 )
相変わらずの関係に、泣いてもいいデスカ?……泣かねぇケド。
ただひたすらに好きでいて、ただひたすらにこの関係を維持した。
大学は当然違うけど、そう離れた場所でもねぇし、お互い自宅からだし、なんとかつなぎ止めたくて、電話した。
何気ない事が、嬉しくて。
いつか、必ず俺をもう一度好きになってもらえるように願った。
そして、相変わらずの関係のまま、大学3年の大会で念願の優勝。
ずっと、決めてた。優勝したら今度こそって。美咲の隣りに誰がいても、俺は美咲を自分のものにするってそう覚悟していた。
……でも、出来なかった。
いきなり目の前にイケメンが現れて、俺を挑発しやがる。
そいつの眼は、俺と同じだった。美咲を好きで仕方がない。
そんな眼。
諦めた訳じゃない。だけど、美咲は幸せそうな顔をしてたから、本当は美咲が欲しかったけど、手作りのプリンとか要求して誤魔化した。
後日、真優チャンとみどりんが慰めるために飲みに誘ってくれたけど、何杯飲んでもその日は酔えなかった。
ただ落ち込んで、今度こそもう駄目かな、なんてらしくなく思いながら
“ご褒美のプリンはまだでつか(´・ω・`)”
なんて最後の悪あがきみたくメールを送信。
美咲は直ぐに連絡をくれた。
その声を聞くと、やっぱり諦められなくて、今日逢える事がなによりも嬉しい。
そうやって家に招いて、馬鹿みたくはしゃいで部屋まで誘導した。
ソワソワしている美咲をどうにかしてしまいたい衝動と戦いながら、
あわよくば美咲をベッドに誘いたい
美咲との会話とは裏腹にそんな事ばっかり考えが浮かぶ。
紳士ぶって、下心でいっぱいだった。
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