第5話[ 突然の着信](1/5)
【5】
自宅に帰って夕飯を済ませたナオは、自室のソファーに身を投げ出し、だらしなく仰向けになっていた。
頭の中では、今朝のミヤトの言動や表情、コウジに言われた嬉しい言葉がぐるぐるとリピートされている。
ちょっとした出来事に胸を痛めたりドキドキしたり、不安になったり喜んだり……毎日目まぐるしく変わる自分の心情に、置いて行かれそうな焦燥に駆られ、ナオは静かに目を閉じる。
(…付き合ってる相手がいる人って……みんな…こんな気持ちになるのかな…)
生まれて初めての恋。
生まれて初めての彼氏。
初めて味わうその感覚に、ナオは未だ、戸惑いを感じていた。
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