【１】



「あっれ〜??ねぇカナ?何か、あそこにあからさまに暗い人物が1人…」






「しっ!メグ、触れちゃダメ!!」






2-Aの教室の隅―――。


『ナオの保護者』を自負する、小菅佳那(こすげかな)と宮前恵(みやまえめぐみ)が、ヒソヒソと声を殺してナオの噂話をしている。






「……。何?もしかして神埜がらみ??」






「Yes!!」






「何〜??どうしちゃったワケ??」






どこか面白がるように、メグミはナオとカナを交互に見る。






「…何かね〜……ナオと付き合ってしばらく落ち着いてた神埜人気がさ〜……どうも再燃し出したみたいで」






カナは困ったように眉をひそめ、自分の席で机に突っ伏してうなだれるナオの後ろ姿に目をやった。






「あちゃ〜……。まぁ…ナオと付き合い出して、前より相当マイルドになったからね〜神埜」






カナの言葉に、メグミも“やれやれ”と言うように腕を組む。





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