ESCAPE

00[日常](1/4)
(prologue)

　熱い吐息も、肌の温もりも……

　身体の奥で滾る血も……

　快感も快楽も……

　求めて、与えられて、全部手に入れることが出来るのに。

　それでも……　満たされることは無い。

　足りない何かを探し求めて手を伸ばしてみても……　届くことのない……　何か。

　きっと僕は、永遠にそれを手にすることは、出来ない。

　届くはずもない……。

　それが何なのか、僕にも分からないのだから。

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