「昨日迷惑をかけてしまい申し訳ない」
アッズーロは昨日とは違い神父様が着る服を着て腰を深く深く折り曲げ、私に謝罪してきた。
「いや、1番の原因は緋色だから気にしなくていい...です!!」
慌てて敬語に直し、顔の前で両手をブンブン横に振る。
「そうだぞ、アッズーロ。1番の原因は緋色だからお前が謝罪する必要は無い」
ヴィオラはダイニングテーブルに備えつけられた椅子にふんぞり返って座りフンッと鼻を鳴らす。
「しかし...俺がしっかりしていなかったために...お嬢さんに迷惑を」
目がウリュリュと潤み始め、ヴィオラは慌ててアッズーロに駆け寄り慰め始めた。
「アッズーロは誰にも迷惑かけてねーよ!お嬢ちゃんは無傷だし、さっきも言ったが原因は緋色だ!」
「じ、じがじぃ...」
ブワワワと涙が溢れ出しポロポロと床に水滴が落ちていく。
「ヴィオラがギレでごの森メヂャグヂャにじでじまっだじゃないが!!」
「あ〜...」
アッズーロは両手で顔を覆い泣き始めた。ヴィオラはアワアワと焦り始め、私は窓から森の惨状をただただ見つめた。
そこには大きな切り傷が木にズタズタと切り刻まれ、地面は深く深く抉れ、青々とした綺麗な緑色だった森が今では泥などの汚れで辺り一面が抹茶色だ。
「それでも緋色が悪「それでも森を滅茶苦茶にする必要は無いだろうが!!」
アッズーロはヴィオラにパァンッッと泣きながら思いっきり頬を叩き、ヴィオラは部屋の隅まで文字通り吹っ飛ばされた。
ヴィオラ、すごい笑顔で飛んでいったなぁ