秘蜜の花園
[秘蜜の花園](1/5)
あっという間に一月が過ぎる

私は変わった

昼は完璧な淑女として振る舞い、夜は猥らに身体をくねらせる淫靡な牝に

磨かれ一月前の平凡な女はカケラも私の中には残っていなかった

美しいドレスを着こなし、ドレスの女の横に立つ

私達の後ろには6人の女が控え、他の女達は忙しく立ち働いていた

「今日は大事なお客様がくるのよ。あなたもご存知の素敵な殿方」

「お姉様…私も存じ上げる素敵な殿方なんて…?」

「ふふふ…すぐに解るわ。今夜はたっぷり可愛がって頂きなさいな」

この館に来て一月
秘所にも雛菊の蕾にも快楽を与えたのは生身の男ではなかった

「…お姉様…私夫以外を受け入れるわけには…」

私の言葉を聞き、不快に思うどころかドレスの女は愛おしげに微笑み口づけてきた

「わたくしの可愛い妹…。あなたの今の言葉を聞いてより一層愛おしさが増すわ。もう、わたくしの蜜は溢れ出すばかりよ…」

ドレスからはみ出そうな私の乳房を優しく撫でて耳元で囁くとドアの開く音がした

今夜のお客様がついたようだった

「僕をのけ者にして二人で楽しむつもりかい?」

そこに立っていたのは紛れも無く若き当主であり私の夫である結城だった

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