「今年もいくの?」
『あたり前じゃん』
二宮ちゃんと約束して、2回冬を越してまた、あの日がやってきた。
あれから俺は高校を卒業して、大学生になったものの何も変わってない。
『てか、俺、今日のこと伊織に言ったことあったっけ?』
伊織にそう聞くと曖昧に笑った。
伊織とは相変わらずで、こんなふうに勘がいいのも相変わらず。
俺、二宮ちゃんの話、誰にもしたことないよ。