幼馴染との仲を修繕したい今日この頃。
[あの頃はかわいかった](1/4)



暖かな陽だまりの中、何処かの小さな教会。


目の前の少女としか見えない少年が、自分の頭に花で作られた冠を載せてきた。


「なに?これ」


「おひめさまの冠だよ!」


かわいい、とにっこり笑う幼馴染はとても可愛らしく、こちらもつられて笑顔になる。


「おひめさま、だったら紅のほうじゃないのか?」


「なにいってるの!!僕はリンちゃんのおうじさまだよ」


むーっ、と音がつくくらい頬を膨らませてそう反論するが、その顔から言って少女にしか見えない。


「こほんっ、では、静粛に!」


「??」


「…リンちゃん。大きくなったら、僕と結婚してくれますか?」


「へ…」


すっ、と差し出されたのは冠と同じく花で作られた指輪。


「受け取って?」


「…」


きれいな、シロツメクサの指輪。


俺は、何の躊躇もなくそれを受け取る。


「…もちろん。結婚しよう!」


そう言うと、紅のハニーブラウンの髪がぴょこっ、と揺れた。


「えへへっ、リンちゃん大好き!!!ずっと一緒に居ようね!」


僕もお揃いだよ!と、左手薬指にはめられた花の指輪を見せて来た。


「おう!!」


ガバッと抱きついて来た紅を抱きとめて、2人して幸せそうに微笑んだ…
















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