ストーカー相手にストーカーされてました
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「お疲れ様です、お先に失礼します」
時刻は19時、21時まで大丈夫なのに最近急に入ってくれたから早めに上がっていいよと気を利かせて貰った。
いつもなら嬉しいけれど今回は本当になにかしていないと落ち着かなくて
車の運転で発散でもしようか。
車に乗り、いつもの癖でスマホを開くと朝比奈くんから連絡がきていた。
『急にごめん、今日喫茶店これない? 18:07』
本当に急だな。
…いい気分転換になるかもしれないし行ってみよう。
そう思い朝比奈くんに返事を入れる。
『ごめん、バイトだったからこれから行くね。 19:17』
朝比奈くんまだいるかな?まぁ帰り道だしいつも行くところだしとりあえず寄ってみよう。
喫茶店の扉を開けると「いらっしゃいませ、お好きな席にどうぞ」と声をかけられた。
最初の頃は何名様か確認されていたこの場所も店員さんに顔覚えられたおかげでもう何名とか聞かれず席も適当にどうぞという対応だ。
このぐらいの対応が私は楽だ。
朝比奈くんはいるかな…?と思ってレジの周り、キッチンカウンターを見るけれど見当たらない。
あー、遅かったかなと適当に席に着こうとすると。
「片桐こっち」
という声がしたので目をやると朝比奈くんが二人掛けのテーブル席に座っていた。
「あれ、朝比奈くん今日はお客さん?」
「19時までバイトだった、返事見てない?」
「あ、ごめん…。朝比奈くんもしかしたらバイト中かなって思ってすぐスマホ閉じちゃった」
「別に大丈夫、それより座りなよ」
私は朝比奈くんの正面へ腰をかける。
それより朝比奈くん何か用事だったのかな
「なに頼む?いつもの?」
そう言って朝比奈くんは私にメニューを渡す。
「いつものも良いけど、俺的にオススメは…片桐?」
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