おまかせ録画
[感染者](1/48)
「あんたら、どこから来たん」
ふと、後ろから声をかけられた。
俺達は恐る恐る振り返る。
「あんたら、島から来たんか?」
ボリボリボリボリ
腕や首をボリボリと掻くオジサン。
「あの・・・」
「もう、この辺もみんな感染しちまった。あんたらは感染してないのか?」
「はい・・・」
「あの、貴方は感染・・・してるの・・・」
ゆうこが聞いた。
「嫁さんが・・・先に感染・・・し・・・」
ボリボリボリボリボリボリボリボリ
オジサンは痒みを我慢出来ないようで話ながらも掻きまくる。
赤い小さな斑点が掻くほどに黒ずんだ●になっていく。
その黒い小さな斑点はプクプクと膨らんでいた。
「ちょ、オジサン!それ以上掻かない方が・・」
サクタはオジサンを止めようとした。
「わしに、触るな。触れるとあんたも感染する。
なんでここに来たかは知らんが、感染すれば、すぐに赤い小さな斑点が体に出てくる。
そっから痒みが出てきておさまらない。
最後はこの斑点から・・・」
プチ・・・
オジサンの首の黒い斑点が破れた。
「なんだ・・・あれは・・・」
北原先生が呟く。
「いや・・・」
ゆうこは後退り。
プチプチ・・・
黒い斑点からは、小さく細いミミズみたいな生物が飛び出してきた。
プチプチプチ
他の斑点からも一気に・・・
「はな・・・離れろ・・・この虫に触れても・・・感染・・・する」
ブチブチブチブチ
「キャー!!!」
「オジサン!!!」
首元から一気に虫が皮膚を破って出てきた。
俺達は、そこから動けずに
それをただ見ていた。
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