奴隷物語
“限界突破”―祐治side― 1/12
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Rrrrr…Rrrrr………
祐「電話だ……麗華さん?」
蓮「麗華?」
祐「はい、もしもし?」
麗『祐治さん!すぐ帰ってきてください!』
祐「落ち着いて。どうしたの?!」
麗『櫻井さんが頭を抱えて叫んで暴れてるんです!』
祐「なんで?!」
麗『さっき起きてキョロキョロしてたから、“祐治さんは出掛けてる”って言ったら突然………!居ないことにパニックを起こしたらしくて!』
祐「解った、すぐ戻るから!』
蓮「どうした?」
祐「梨華がパニック起こしてるみたいだから、すぐ戻って!」
蓮「なんで?!何があったんだ?」
祐「俺が居ないって言ったら、叫んで暴れてるらしい」
蓮「え?お前会社行くときとか、どうしてんの?」
祐「普通に“仕事行ってくるね”って言ってるよ。暴れるなんて聞かないし!」
そう、最近は出社することもあるから、梨華の側にずっと居る訳じゃない。
ヘルパーの人からも、そんな報告受けてない。
一体、何があったんだ?
祐「梨華?!」
麗「祐治さん!ほら、櫻井さん!帰ってきたわよ!」
梨「あ”……あ”……あ”………………」
疲れきった麗華さんと、涙を流しながら頭を抱えて叫んでる梨華。
祐「梨華!」
抱き締めて、背中を擦る。
強張っていた身体が、だんだん緩んでいく。
祐「梨華?大丈夫?」
梨「………………」
不意に、梨華と一瞬目があった。
だが、すぐに焦点が合わなくなった。
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