真実の奴隷



決断【1/4】



店長の部屋に1人ポツンといるとまた気持ち悪さがこみ上げてきて、布団に横になる。

そしてそのまま眠ってしまった。

気づいたら辺りは真っ暗で、急いで部屋の電気をつけ時計を見る。

11時過ぎ。

8時間近く眠っていたようだ。

吐き気が襲ってきてそれが悪阻によるものなのか空腹によるものなのか分からず、スーパーの袋に胃液だけを吐いた。

とにかくお腹に何かいれようとコンビニまで行って、炭酸飲料と梅おにぎりとグレープフルーツゼリーを買った

帰りながら炭酸飲料を一気に飲んだが家に着くまでに全部穿いてしまった。

部屋に戻って食べようとしても、結局食べる気がせずそのまま横になった。

それからテレビを、ただなんとなく見ていた。

深夜1時頃、店長が弁当を持って帰ってきた。

その匂いにまた吐き気がこみ上げてくる。

『今日どうだった?』

弁当を食べながら聞いてきた

『やっぱり妊娠してた。2ヶ月やって・・』

私は今日貰った子宮の写真を見せた。

『・・・・』

店長は無言だった。

『相手の同意書がいるねんて。手術の日も決めてきた。来週の火曜日』

『早っ。分かった。その日送ってくわ』

段取りの早さに多少とまどいながら了承した。

『ひとみさんがいてくれて助かった。店長よりよっぽど頼りになるわ』

『俺が頼んだんや。でも俺も助かった。またお礼せんとな』

偉そうに言う店長が可笑しかった。

『めっちゃええ人やな。別れて後悔してないん?』

意地悪そうに聞いた。

『してない。あいつ今、幸せそうやし』

その言葉に、少しだけ胸がチクッとした。
そこには私なんかが入り込めない2人の関係があって寂しくなった。

『でも、安心したわ』

そう言ってキスして抱きしめてきた。

私は何故だか拒めなかった。
嫌われたくなくて、大事に思われたくてひとみさんが羨ましくて・・・・


結局そのままセックスした。


『妊娠してるから中出ししてもええやんな』

『・・・・』

店長はそのまま私の中で逝ってしまった。

何故だか涙がでた。でも泣いているのを見られたくなくてすぐにシャワーを浴びに行った。


涙と精液をシャワーですべて流し去った。

私は弱い。

そんな弱い自分が嫌いだった。

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