真実の奴隷



変な関係【1/12】



変わらないと・・

でも、どうしたら・・

友達に相談?・・・・無理。絶対無理。

友達には知られたくない。

こんなカッコ悪くて惨めな姿を見せたくない。

それだけはプライドが許さなかった。



窓から西日がさしてきて、外が夕焼け空で赤くなってきても、私はどうしたらいいのか分からず途方にくれていた。



携帯が鳴った。

店長からだと思い急いで電話に出る。


『もしもし』

『もしもし。こんにちは』

知らない女の声。

誰?

『あの、間違ってると思いますけど』

間違い電話だと思い切ろうとした。

『間違い違うで。昨日店で会った元妻ですけど』

『はい・・で、なんで私の番号?』

疑問点だらけで何から聞いたらいいのか混乱した。

『あの人から聞いたんよ。相談されて、助けて欲しいってお願いされたわけやねん』

なんで、元妻にそんなお願いを・・。
しかも、こっちに何の連絡もなく・・。
有り得ないと思いながらも、今の私にとっては天の救いに感じられた。

『ご迷惑かけてすいません。どうしたらええか分からなくて・・』

今は、この人に頼るしかないんだ・・。

『今近くまで来てんねんけど出て来れる?』

『大丈夫です。すぐ行きます』

私はマンションの近くのコンビニまで急いで向かった。

待っていた女の人の車に乗り込んで近くのファミレスに行った。

女の人の名前は中川瞳。名字は来月には結婚するから変わるらしい。

『ひとみでええよ〜。名字変わるし』

『はい』

『大丈夫?まさと、いきなり電話してきてな、彼女が妊娠したけど、どうしたらええかわからんし、こういうことは女同士のほうが気持ちとか分かってやれると思うから助けてやってくれって』

『はぁ・・・』

なんだか一見優しい感じだけど他人任せな気がしてなんて言ったらいいのかわからなかった。

『私はな、いきなり知らん第三者に、とやかく言われたり、いろんなこと知られたりするの嫌やと思うでって言うてんけど』

『はい・・・・。確かに意味わかりません。でも、早くどうにかしないといけないし、店長ははっきりしないし・・このままだらだら結論を出さないのは正直不安で・・・・』

『そうやんな。気悪いかもしらんけど、今はそれどころやないわな〜』

2人で頷き、私達は本題に入った。

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