真実の奴隷



過去のこと【1/8】



『いらっしゃいませ〜』
大学生になったばかりの私はバイト三昧の日々。

居酒屋のアルバイトはガラの悪い客や肉体労働で少しばかりハードだけど、バイト仲間とは気があい店の店長は優しく楽しんで働いていた。

疲れていても、楽しさの方が上回った。

週に5日はバイトに入っていて、私の大学生活の大半をこの居酒屋で過ごした。


私は、この居酒屋とここで出会ったたくさんの人たちが大好きだった。

いつも、カウンターの左端に座るサラリーマン風のおじさん。

不動産関係の会社をしている夫婦。

土建屋のお兄さん達。
いつも、銭湯帰りに店にくる2人組みのお姉様。

店長の友達のさとしさん。


こんな常連さん達にも凄く可愛がってもらって酎ハイを飲みながらほろ酔い気分で接客することも珍しくなかった。


私の大好きな場所。
私の大好きな人々。
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