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[黒ジャージのナミダ](1/6)




「担任なんて知らない!
ワタシに構わないでよ
ワタシは学校には行かないし
あんたとも話さない!」

「いや、
ちょっと待て半田、
少し話を」

「だから話さないって今言ったじゃん!」




丁度1ヶ月くらい前、



引きこもりになったワタシの家に
金崎がやってきた。


ワタシを学校に来るように
説得するためだろう。



元々金崎が嫌いだったワタシは
金崎を家には入れなかったし
まともに口を聞かなかった。



「わ、わかった帰るから!

明日も来るけどな!」



配布物のプリントだけ渡して、
金崎は明るく笑って帰った。


それが気持ち悪かった。




金崎は言葉通り、
決まって
必ず次の日にはやってきた。



「半田、
明日の給食は
デザートがプリンなんだ!
来いよ!」

「物で釣るな!
それにワタシは行かない」


「半田、
明日は体育でドッジボールなんだ!
楽しみだろ?」

「いえ全く。
つか行かないから」


「半田、
もうすぐ期末テストなんだ!
来るか!?

「行かないし!」


そんな30秒に満たない話を
毎日した。

楽しいとは思わなかった。
金崎はうざかったし、
学校も行く気がしなかった。




だって、わからないのだから。





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