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[第三フロア](1/20)




『まもなく、
第三フロアです』


タイミングを見計らったかのように主催者が話し出す。


「おい、ちょっと待て、
次のゲームは何だよ!」


そこがわからないと
さっきみたいに混乱してしまう。

心拍数が上がっていくのがわかった。


『はい。

第三フロアのゲームは
【テーブルゲーム】
です。

そしてあなた方のゲームは

【神経衰弱】です』



またもや、沈黙。



悪い、
俺、記憶系は無理だ」

真っ先に青羅が変な汗をかいて笑った。


「アタシも無理ー」

元気よくハルカが手を挙げる。
キャラ作りはバッチリなんだけどなぁ。


「あ、オレも無理」

そしてオレも人のことが言えなかった。


「ってこれマズくない?

ちょっと
おっちゃん自信喪失なんだけど
勝てる気がしないんだけど」


苦手分野になると急に弱気になる青羅である。


「まぁ落ち着け青羅」

「そうだよー」


オレとハルカは声をそろえる。



「カイがいるから」



カイ?
得意なのか?神経衰弱」

「うん」

躊躇いのない返事。


「当たり前じゃん、
カイだぞカイ!
天下の天才カイだぞ!」

「いやそれは知らねーけど
本当か?」

「うん」

カイの笑み。


「まぁ、絶対とは言わないけど、
自信はある」




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