笑顔を忘れた貴方
[思い出](1/1)

昼休み、ようやく訪れた役員の仕事の時間。片思いの彼、荒川優斗と二人きりの時間。
 思った通り正確な時間ピッタリにやって来た彼は、やはり思った通りの事を言う。「ゴメン待たせたね。」私が勝手に早くきただけでも彼は、いつもそう言う様な人らしい。人柄がいいから。
 「大丈夫だよ。」と恥ずかしそうにいう私を見た彼は、笑った。「硬いな〜、でもとりあえずいいよ!川崎カナちゃんだよね?始めようか。」と言うと早速作業開始。名前を覚えてくれたのが嬉しかった。
   そして、何の作業かというと新聞委員の仕事だ。記事を書くのが大変で、誰もやりたがらない仕事なんだ。
 今回は、一年生の私たちが楽しみにしている事を書くことにした。
 それは、二人の未来を語り合う様で、幸せな時間だった。彼が、"彼女を作りたい"なんて冗談を言うから。
 会話上手で仕事のできる彼のおかげで、楽しい時間はあっという間に過ぎて、新聞もすばらしいものが完成した。
 彼がいたから、大変だった今日が、思い出の1ページなったのを心の奥で感じた。


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