纏われの薬指
[〈 14 〉: 白い彼](18/18)
「ごめん、暑かったよね?」
「いえ!余裕です!!」
この車に乗るのは、2回目だ。
初めて乗った時よりも、車内を見渡せるほどの心の余裕があった。
シンプルで、綺麗な車内。
ゴミ箱なのにゴミは1つも入っていないし、ホコリは見えない。
「今から遠くに行くよ」
「え!?」
「夜、時間大丈夫?」
「だ…大丈夫です」
ほんとに?と片眉を上げた奥宮さんは、ナビも使わずにアクセルを踏んだ。
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