纏われの薬指
[〈 13 〉: おにぎり案](2/16)
昼を過ぎても、奥宮さんは帰って来なかった。
その心配を胸の内に秘めたまま、オフィスで弁当を開いていた。
もちろん、メンバーはいつもの3人で。
「俺もここ座る」
奥宮さんがいないことでつまらなくなってしまった待田が、コンビニの袋を勢い良く置いた。
緊張のあまり思いっきり置いてしまったのか、こいつがただ雑な人間なのか。
待田は堂々と優希の横に座った。
おい、距離感がおかしいぞ。
「ちょっと、近いってば」
「ごめんごめん」
ったく、あんたは本当優希の言葉はすぐ聞くな。
そんなに優希が可愛いか……
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