纏われの薬指
[〈 11 〉: 柔らかいもの](11/12)


舞花さんは奥宮さんの腕に抱きついたまま、オフィスをぐるりと見渡した。


しっかりと目が合ってしまい、すぐに下を向いて逸らした。


舞花さんはじっくりと全員の顔を見定め、鼻で笑った。



「舞花より可愛い子いないね」



その一言で、優希が舌打ちをした。


まずい。


今度こそ、本当に殴ってしまう。


震えていた優希の拳を押さえ、落ち着くよう促した。



「舞花、行くぞ」


「うんっ」


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