纏われの薬指
[〈 00 〉: プロローグ](1/2)


あなたのつむじが見えた時、私の中の全てが崩れ落ちた。



それと同時に、思ったことがある。



こんなにも頭を下げてくれる人なんて、他にはいないと。



慣れっこなはずの、部下からの告白を、丁寧に頭を下げて、謝ることが出来る人なんて。



──『もっと、好きになっちゃいました』






キラリと光るあなたの薬指を見つめながら、そんな昔のことを思い出していた。


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