架空の英雄
[ブラックボックス](1/2)
10年後…父も年を取ってきていた。母も少し痩せた
俺は12年の時を経て日常生活をすることができるようになっていた 父や母の献身的な 看病のおかけだろう
元に戻った俺を誰も英雄とは呼ばなかった。今でも悪夢は見るし辛いことは辛い
無謀に兵士を志願した俺が戦争を見て現実を見て無事帰ってきた 周りにはそう見える いや実際そうだった
銃を持っても 軍服を着ても 戦争を前にしたらすぐに否定された お前には無理だ と
俺は単なる一般市民だったんだ。いや…一般市民であるべき人間だったんだ
帰還兵はPTSDの事もあり仕事が少ない…
「俺は…」
一緒に帰還した仲間に会う日が訪れた
「久しぶり」
「あぁ」
集まった奴らは一応元気を装ってはいたが目が暗い
片足のないもの 目がつぶれたもの 頭が削れたもの
そんな奴らを見て俺は会話しながら気分が悪くなっていった
俺は…
一体 何しに戦争にいったんだ?
こうやって悪夢を見て暮らさなければいけないのか?
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