もう君には会えない
03 ..[木までの距離](1/1)



夏、おっきな入道雲。

教室の窓から空を見つめる自分


青春だな


とか思ったりする。



「なあ、聞いてよ」


隣にきた君のために少し場所を譲る。


「うん、聞いてあげる」


ニッと笑うと彼は外を見つめた。

少しだけ涼しい風がふいてて、また


青春だな

って感じた。



「夏休みに部活の試合でホームラン打ったんだ。あんな遠いバックネットからすぐそこの木まで飛んだんだぜ」

「相変わらずすごいね」



得意げに話す君にあたしも微笑む。

君がどれだけ努力してるか

どれだけ自分に厳しいか

あたしは全部は知らないけど

人の何倍も頑張ってるのは知ってるから。

その結果がでるとあたしも嬉しい。





こんな小さな想い出に今も縛られる。

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