海賊×人魚

[＊2…sideユキヤ](1/7)

「船長、何か落としたのか？」

海面をボーッと見てる俺にコックのリュウが話しかけて来た。

「まぁな。」

さすがに朝っぱらから上がって来ねぇか。

それとも、俺に取って食われるとでも思って逃げちまったか？

「船長ー！！早く行こーぜ！！！」

後ろから元気な声が聞こえる。

こいつはチビのシャル。いつもこの調子だ。

若いっていいな。

「シャル、そう急かすなよ。」

やけに色気のある声は船医のセイヤ。

「早くしねぇと海軍来ちまうぞ？船長。」

面倒見のいい兄貴分のレオン。

「船長、あっちから来る。」

無口で変人なイアン。

主役が揃った。

なら仕方ねぇ。出発するか。

「出港だ。海軍に絡まれる前にズラかるぞ。」

と俺が一言言えば船員は嬉しそうに声を上げる。

楽しくて仕方ない。

これだから海賊はやめられないんだ。

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