奴隷溺愛主

[崩れていく](1/7)



噴水広場に集められた戦闘用奴隷達。
そこへタニジマと、珍しくもう一人。




「ょぃ…っしょ!…ぅわ〜っ、ここにはこんなにたくさんの要員がいたんだね、タニジマ!」

「うるさい。まったく…、今回指揮を執るのはお前なんだぞナカザキ。」


タニジマがバインダーを見て、ナカザキにそう伝える。
…が…。


「おい、聞いてるのか…」

「あーっ、ねねねあの子の名前なんていうの?!あの髪束ねてるいかにもお姉さんっていう感じの…!」


タニジマの話を一言も聞かずに自己中に話を進めていくナカザキ。
終いには女性要員の名前を聞き出そうとする始末。


「はぁ…心配だ…。」


***


「アバズちゃん。」


アバズの肩を叩いて、後ろからロディが声をかける。
視線を前に向けたまま、アバズが何だ、とだけ言葉を返す。


「あの人知ってる?タニジマさんの隣にいる…」


あの賑やかな人、とロディが付け足して伝える。


「…ナカザキさんだよ。第二司書だとウェノン様が言っていた。」

「へぇ…、ありがとう。」


ロディがえへへと微笑んで元の姿勢に戻る。
アバズの頬が、紅く染まっているとも知らずに二人は指示を待つのだった。




- 54 -

前n[*][#]次n
/62 n

⇒しおり挿入


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?

[編集]

back