噴水広場に集められた戦闘用奴隷達。
そこへタニジマと、珍しくもう一人。
「ょぃ…っしょ!…ぅわ〜っ、ここにはこんなにたくさんの要員がいたんだね、タニジマ!」
「うるさい。まったく…、今回指揮を執るのはお前なんだぞナカザキ。」
タニジマがバインダーを見て、ナカザキにそう伝える。
…が…。
「おい、聞いてるのか…」
「あーっ、ねねねあの子の名前なんていうの?!あの髪束ねてるいかにもお姉さんっていう感じの…!」
タニジマの話を一言も聞かずに自己中に話を進めていくナカザキ。
終いには女性要員の名前を聞き出そうとする始末。
「はぁ…心配だ…。」
***
「アバズちゃん。」
アバズの肩を叩いて、後ろからロディが声をかける。
視線を前に向けたまま、アバズが何だ、とだけ言葉を返す。
「あの人知ってる?タニジマさんの隣にいる…」
あの賑やかな人、とロディが付け足して伝える。
「…ナカザキさんだよ。第二司書だとウェノン様が言っていた。」
「へぇ…、ありがとう。」
ロディがえへへと微笑んで元の姿勢に戻る。
アバズの頬が、紅く染まっているとも知らずに二人は指示を待つのだった。