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自分はアバズという。
ウェノン様の護衛用戦闘奴隷である。
生臭い人間の血が鼻先を掠めたと思ったら体にこびりつく。
「っち、汚ねぇ…っ」
口では言うが、まだまだ浴びそうなのでぬぐわない。
今何をしているか?
決まっている。
敵を殺っている。
くつろいでいるウェノン様を襲撃してきやがった。
が、そいつらが奴隷だとわかると 自分は可哀想に思ってしまう。
あいつらは、自分達ウェノン様の奴隷と違って、
大切にされていない。
ただの犬なんだ。
あぁ、一般だった人を犬のようにしてしまう…。
人とは時に恐ろしい──…
そして、私は今日もウェノン様の為 自分の為にたくさんの犬を殺していく。
その日、アバズが殺った犬の数 ── 約100人
「…よくできました。」
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