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「おはよう、青木さん。」
相変わらずな日々は変わらない。
学祭の準備に追われに追われて。
『うん、おはよう。』
でも、
そのなかでひとつだけ変ったことがある。
朝、
駅で待ち合わせをするようになったこと。
ぴたりと近付いて
肩を並べて歩くようになったこと。
「渡くんおはようっ!!」
「おはよう、斗真!!」
校門をくぐるとさすが、
王子に向かって黄色い声が飛ぶ。
飛ばした子たちは
私の方を怪訝そうな顔で見る。
「あの子、斗真と同じクラスの青木さんよね。」
「なんで一緒に登校なんて、」
「あれ知らないの?」
そんな声に
私は気にしないとでも言うように歩く。
「斗真と青木さん、付き合ってるんだって。」