cider



  渡くんの恋人 (1/17)




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「おはよう、青木さん。」



相変わらずな日々は変わらない。

学祭の準備に追われに追われて。



『うん、おはよう。』


でも、
そのなかでひとつだけ変ったことがある。



朝、
駅で待ち合わせをするようになったこと。


ぴたりと近付いて
肩を並べて歩くようになったこと。




「渡くんおはようっ!!」


「おはよう、斗真!!」




校門をくぐるとさすが、
王子に向かって黄色い声が飛ぶ。




飛ばした子たちは
私の方を怪訝そうな顔で見る。




「あの子、斗真と同じクラスの青木さんよね。」


「なんで一緒に登校なんて、」


「あれ知らないの?」



そんな声に
私は気にしないとでも言うように歩く。




「斗真と青木さん、付き合ってるんだって。」





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