cider



  渡くんの失態 (1/13)




○○○


学祭の準備期間に入り、
浮かれ気分のクラスメイトと、


順調に進んでいく準備と、


多忙すぎていっぱいいっぱいな私。



ウェイトレス役用の衣装の制作や
メニュー案と試作。



といった楽しそうなものは一切やらない。



学祭のタイムテーブルや進行、
そんなものの作成でつぶれていく。



しんどい作業だ。』


「実行委員だもん。そうなるでしょ。」



溜め息をついた私の肩を叩いたのは
ヴァンパイアの衣装を身に纏った渡くんだった。



『どしたの、それ』


「着せてくれた、似合う?」



クオリティの高い衣装、
悔しいけどものすごく似合う、

モデルみたい。



『働いてください。』



「青木さんよりは仕事早いから、俺。」



グサッと突き刺さった。



『そうだけど、そうかもだけど。』



その通りすぎて、
それ以上何も言えなかった。









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