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学祭の準備期間に入り、
浮かれ気分のクラスメイトと、
順調に進んでいく準備と、
多忙すぎていっぱいいっぱいな私。
ウェイトレス役用の衣装の制作や
メニュー案と試作。
といった楽しそうなものは一切やらない。
学祭のタイムテーブルや進行、
そんなものの作成でつぶれていく。
『…しんどい作業だ…。』
「実行委員だもん。そうなるでしょ。」
溜め息をついた私の肩を叩いたのは
ヴァンパイアの衣装を身に纏った渡くんだった。
『どしたの、それ』
「着せてくれた、似合う?」
クオリティの高い衣装、
悔しいけどものすごく似合う、
モデルみたい。
『働いてください。』
「青木さんよりは仕事早いから、俺。」
グサッと突き刺さった。
『そうだけど、そうかもだけど。』
その通りすぎて、
それ以上何も言えなかった。