と在る男子校
○○○○○[郁弥くん](1/12)




「おはようございます、光次朗様。」




「…おはよ」



清宮家は代々、大手企業の社長の羽生家の専属執事をしている


そして清宮家として生まれてきた俺、清宮郁弥と羽生家に生まれてきた光次朗様


歳が同じということで、昔はよく遊び相手として二人であそんでたんだが、中学上がると同時に親から敬語を使えと命令され、光ちゃんと呼んでいたのを改善し、光次朗様と呼ぶようになった


「準備出来ましたか?」


「あぁ…」



「じゃあ出ましょうか」


羽生家から歩いて直ぐのところに光次朗様が通う私立の金持ち学校がある


そこから500m離れたところに俺の通う公立の男子校がある



俺はいつも羽生家に光次朗様を迎えに行き、光次朗様を送り届けてから学校へ向かうのだ



「そーいえばさ、俺、昨日彼女出来たから」


「あ…そうなんですか、」


また彼女


俺は高校に入ってから気付きたくない感情に気づいてしまったのだ


光次朗様に気があると


そう思ったのは光次朗様にはじめて彼女が出来た高1の時


今まで、いなかったのに急に出来たという戸惑い、そして光次朗様を取られたという思い


俺は光次朗様が好きなんだと思い知らされた


それから取っ替え引っ替え彼女を作り遊んでいる光次朗様


その度に胸が苦しくなる


「良かったですね。次こそ長続き出来たらいいですね」


「無理だよ」


無理だと分かっててなんで作るのか


でもわかってることは俺の完全なる片想い、報われるはずのない






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