足許照らす君の歌
12深縹に溺れていく空気(1/28)
羽鳥さんのアパート。
来るのは真山さんから逃れて
羽鳥さんに助けてもらった日以来。
緊張する…けど、
今日はちゃんと用事があって来たんだし、
何も恐れることはない、はず!
このCDを渡す。
風邪の様子を伺う。
一人暮らしの身だから痛いほど分かるんだけど、もし風邪を引いていたらキツいんじゃないかな…。
「羽鳥さん、生きてますか…?」
インターホンを鳴らすと暫くして
ガタガタと生活音が聞こえてきた。
「……」
動けるくらいの元気さ、ってことは、
もしかしたら元気なのかもしれない…!
少し食料とか買い足してきたけど、
困ってなかったらそっと持って帰ればいいよね。
せめて食べる物でも届けて帰ろう。
きっと頭をたくさん使ったり、
夜遅くまで作業に没頭したりしてたはず。
ガチャリとドアが開いた。
「…美咲さん?」
「羽鳥さん!」
良かった、生きてた。
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