足許照らす君の歌

10それは一瞬の金糸雀色(1/33)








青々とした芝生が光っている。


ざわざわと今日のタイムテーブルや、フェス飯の品定め、今まで観たライブの話など、耳にすれば心が躍るような、

そんな話が聞こえてきた。


なんてったってここは


「いざ、夏フェスデビュー!」



夏フェス会場なのだから。


初めて来た会場。

他のフェスに比べると小規模だと聞いていたけれど、想像を絶する人の多さだ。


装備や服装について調べたり聞いたりしたから、多分大丈夫だよね


梢の分のチケットももらったので誘ったところ、即決で同行してもらえたのだけれど、めちゃくちゃ張り切っている。


「新歓ライブの時も思ったけど、これみーんな音楽聴きに来てる人だよね!これだけ集結してくるの、すごいなぁ

梢は、興奮混じりな私に優しい眼差しを向けた。

楽器持ってる人が普通に歩いてるのも珍しい。
出演者の方なのかな、
普通に歩いてるものなの


「美咲さん。」


キョロキョロと遠くまで見渡していると、
呼ぶ声がした。

この涼しげな声は、




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