コーヒーと蝶と花瓶の中身

**@[プロローグ](1/2)
新しい作品です。気に入って下されたら光栄です。一番好きなオリキャラを出せたので嬉しいです。




そこは細い裏路地を入った先にあるらしい。


洒落た外見をした小さな喫茶店。




名前は


『千種』 (ちだね)



聞いた話によると店主の名前の読み方を変えただけらしくこれと言った深い意味も無いらしい。





そして『千種』には多くの常連客と、ある悩みを抱えた不思議な客が集まる。









悩みを抱えた客達は皆、一輪のコスモスを持参しカウンターの隅に置いてある青い何も入っていない花瓶に入れる。


そうすることで店主が悩みを解決してくれる。














カランカランカラン




ドアについていた小さいベルがか細い音をたてる。
















「いらっしゃい。」





店主が優しく笑いかける。






店の中ではゆったりとした曲調の音楽が静かに流れている。









「………。」





客はここに来るのは初めてなのか挙動不審になりながら花瓶の置いてある隅のカウンター席に座ると持っていたバッグから綺麗に包まれた一輪のコスモスを花瓶の中にそっと入れる。
















「何をお飲みになりますか?」





店主がお冷やとおしぼりを客の前に馴れた手つきで音をたてずに置く。
















「コ、コーヒーを1つ…。」





客は少し驚いた様子で裏返った声を出しながら飲み物を注文する。

















「かしこまりました。少々お待ちを。」





店主はまた優しく笑いかけてコーヒーを作り出す。
















「どうぞ。」





少したってから店主がコーヒーをもってくる。
















「ありがとうございます。」





客は店主の穏やかな表情に安堵したのか挙動不審になることはもうなさそうだ。
















「では、今日はどう言ったご用件でいらっしゃったのですか?」





店主は優しい笑顔の下にどこか面白そうな笑顔を交ぜる。
















「じ、実は…。」

















これは喫茶店『千種』に来る不思議な客と店主のお話。



悲しく苦くどこか温かいコーヒーのような不思議なお話。


そして不思議な蝶が巻き起こす店主の過去。



それらは悲しく混ざり最後は冷たく冷めてしまう。






これは
コーヒーと蝶と花瓶の中身のお話。







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