ESCAPE-N[028]…[EYE]ZU-3…


◆別人 (1/1)

亜希と謎の森で再会するエリ。




亜希が何でこんな所に…



亜希「エリ…現実の世界かわからないよね…。わかるよ…私がこんな事をして驚いてるのも。でもね…ここでは人を殺しても裁かれないんだよ(笑)知ってる?楽しいでしょ。」



本当に亜希なの…?


全然違う…


私の知ってる亜希じゃない…


手に銃を持ってる亜希が私には,あの学校でいつも一緒にいたおとなしい亜希には見えなかったんだ。



亜希「そんな顔しないでよ…。せっかく助けてあげたんだから。ねっ…私たち親友でしょ?」



親友…


いったい何が起きてるの…?



エリ「本当に…あなたは亜希なの…?」


亜希「そっか…(笑)そうだよね…。エリ…あなたは,いつも平和主義の人間だから相手の事にも深入りする事ないもんね。だから私の事も親友だなんて決め付けて,本当は私の事なんて何もしらない。忘れてたよ…あなたがいい人ぶる人間だったって事を(笑)」



私が平和主義…



いい人ぶる人間…



亜希「だから…こんな所に連れてこられるんだよ。私は助けようとしたのに…全然気づかないから…。」



助けようとした…?



エリ「どういう事なの…?教えてよ!!!意味がわかんないよ!!!」


亜希「意味ならいずれわかるよ(笑)エリが生きてさえいればね。あ…あと,この薬を飲んだ方がいいよ。ここの環境は最悪だから…感染症になったら大変。」



亜希が私の方に薬を投げた…



エリ「質問に答えてよ!!!何で亜希がここにいるの!?」


亜希「思い出して…。あなたの記憶に答えは眠ってるから(笑)028さん…。」



028…


なんで私の番号の事…





…………………………………………………





亜希が久しぶりに学校へ来ていた。


連絡もとらないままで,私は親友として最低な存在になってたんだ。きっと自分の知也への想いが消せなかったから…だから,別れたと知っても亜希の事を心配できずに…逆に良かったなんて最低な考えしかできなくて…。


それでも久しぶりに会った亜希は私に笑顔を見せた…



亜希「おはよう。心配かけてゴメンね…。知也くんと別れちゃって…かなり傷心してたから休んじゃった。」


エリ「私の方こそ…亜希に何も連絡しなくてゴメン…。連絡しようと思ってたんだけど…遅くなっちゃって……。」


亜希「全然いいよ(笑)もう大丈夫!」



亜希の笑顔はどこか変な気がした。


本当は苦しいはずなのに…





そして…


授業中に私は何も頭に入らないでいると,亜希が何かを必死に呟いていたんだ。


それは誰にも聞こえない様な声で,口だけ動かしながら…



亜希…何してるんだろ……



私は亜希の呟く口をジッと見つめる。



何か番号の様な事を言ってる…



0…



2…





…………………………………………………





亜希「じゃあ…まぁ,頑張って(笑)エリが生きてたら,また必ず会えるから。」


エリ「亜希!!!ちょっと待ってよ!!!」



状況を何も理解できないままで亜希は私から離れ,側に止まっていた四駆の車に乗りエンジンがかかる…



エリ「亜希!!!私も助けて!!!一緒に連れてってよ!!!なんで私を置いていくの!!!」



必死に四駆の車の窓を叩きながら叫ぶ私…


なんで私を残して行くのか,私にはわからなかったんだ。



エリ「亜希!!!お願いだから教えてよ!!!こんな所に置いていかないで!!!」



助手席の車の窓がゆっくりと開く…



亜希「可哀相なエリ……。助けてあげたいけど…残念。この車は満席なの(笑)助かりたいなら…生存率をあげる事だよ。置いていかれる気持ちをゆっくり味わってね。」



私の叫びも虚しく…



車は走り出した。



なんでこんな気持ちにさせるのか…意味がわからない私。それでも,あの亜希は変わっていた…。いや,本当はあれが亜希の素顔だったのかもしれない。



そして…



また孤独な夜が私に襲い掛かるんだ…



たった一人きりで…





―――――――――――――――――――





香里奈「ねぇ…まだ着かないの?もう1日中歩いてるんだよ。」


高梨「そうだよね…。北に向かってるから間違いないと思うけど…。」





ピピピ…



ピピピ…



ピピピ…





そんな時,LDの音が響き渡る。





香里奈「どうしたの…?」



高梨「メッセージが届いてる。」





そこに表示されていたメッセージ…





【キタノ ムラニイル ワカイオンナハ ウラギリモノ…】





裏切り者…?


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