◆受け継ぐもの (1/1)
琉夏の受け継いだもの。それはエリにとって重要になる。
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またこの数字だ…
何度見ても嫌になる。
失敗を何度も繰り返してるけど…いつかは俺にもできると信じてる。
もうこれ以上…
死なせるわけにはいかない。
俺は絶対に教わった事を無駄にはしないから!!!
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思い出をなぞる様にアルバムを見る中学1年の幼い俺…
母さんは小学生の頃にガンで死んだ父さんの事を話そうとはしなかった。なんでなのかなんて幼い俺にはわからない。
目の病気と何か関係があるのかな…
母親「また見てるのね…。」
琉夏「父さんがどんな人だったか知りたかったから…。」
母さんがゆっくりと俺のそばに座る…
母親「そうよね…。実は,あなたのお父さんは私をずっと救ってくれた人なの…。もう少し,琉夏が大きくなったら全てを話そうと思ってたけど…。」
琉夏「やっと目の病気が治ったのに母さんは,なんで俺にボーイスカウトや空手や合気道とか…色々習わせるの?俺はまだ友達といっぱい遊びたいのに…。」
いつの間にか自分の気持ちを言葉にしてしまう。
それを聞いた母親は涙を浮かべながら言ったんだ…
母親「きっと…私の運命で琉夏を苦しめる日がくるかもしれない。だから…あなたには強くなってほしいの…。一人でも運命を乗り越える様な強い男の子に。ゴメンね…勝手に押し付けてしまって…。でもね…お父さんもそう願っていたから。目が見えなくても必死に生きた琉夏のお父さんが…。」
琉夏「父さんが…。」
母親「目が見えなかった琉夏なら…きっとわかる日があなたにもくるはずよ。大切なものを守る時が。だから…そのアイズだけは絶対に見逃してはいけない…。あなたの目は奇跡を起こすから…。」
そう言うと…
母さんは俺の目を手で優しく触った。
母親「きっとあなたは正しい目でこの世界を見れる。琉夏…母さんはずっとあなたの事を愛してる。お父さん以上に…。もし何も起きずにこのまま幸せな日々が続くなら…私もそれを願ってる。でも…私はあなたの未来を知って………いや何でもない…。とにかく…夜も遅いし早くお風呂に入りなさい。」
母さんが言いかけた言葉…
俺の未来……
いったい…
…………………………………………………
これがその時なのかもしれない…
08…
07…
06…
05…
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彼が私を連れて,草村の中に人が入れるほどの穴の様な場所に連れていき…その中へと隠れたんだ。
そして,何かから守る様に私を抱きしめていた。
エリ「はぁ…はぁ…はぁ…。」
琉夏「はぁ…はぁ…はぁ…。」
いったい何!?
何が起きるの…?
エリ「…………。」
琉夏「…………。」
ずっと待っていても…
静けさの中で何も起きない…
そして…
私はLDを見ていた。
【生存率・004%】
005%…
006%…
上がってる…
琉夏「良かった…。カウントが増えてる…。避けれたみたいだ…。俺にもできたって事だよな…」
私を強く抱きしめる真剣な彼に…私は内心ドキドキしていた…。
何から逃げてたなんてわからないけど。
でも…
私は知りたかった。
彼の事も…
この場所の事も…
エリ「何が起きてるのか私にも教えて…。お願いだから……」
琉夏「きっと運命なのかもしれない…。あんたと出会ったのも…。」
運命…
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