ESCAPE-N[028]…[EYE]ZU-3…


◆START (1/1)

普通の生活をおくっていた女子高生の【安原エリ】。ここから全てが変わる。




【生存率・010%】





009%…





008%…





007%…





006%…





005%…





004%…





003%…





002%…





001%…





【生存率・000%





≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒





[ピピピピ…!ピピピピ…!!]



携帯のアラーム音で目が覚める私。



もう朝かぁ…



母親「エリ!!学校に遅刻するわよ。」



1階から聞こえる母親の声。



エリ「今,着替えてるの!!」



そう言ってから2階の自分の部屋で着替え始める私のいつものパターン。


私の朝は,決まって忙しい。


まぁ,早く私が起きればいい話だけど…。


でも,寝てる方がずっと幸せに感じるから,携帯のアラームの時間を15分ずつずらしてスヌーズ設定にしてる。


最後のアラームを聞いて起き,こうしてヤバいなんて思いながら着替える私も意外と嫌いじゃない。


私は高校の制服着替えて,自分の部屋から階段を駆け降りる。



母親「エリ!!!朝ご飯は!?」


エリ「無理!無理!!もう行かないと電車に間に合わないし!!!」


母親「だからいつも早く起きなさいって言ってるでしょ!!!」



はいはい…


今日のママは一段と激しい。


いや,いつもかな。


母親の言う事は,8割間違いじゃない。ただ,自分の生き方を模索してる私にとって押し付けられる事が苦痛に感じるんだよね。


そんなこんなで…


当たり前の毎日の中で,なんとなく毎日を過ごし,何も変わらない生活に慣れていってる。そんな私は靴を履きながら,いつの間にか何か変化を求めてた。



エリ「ヤバっ…亜希もう待ってるよね。じゃあ行ってきます!!!」



変化…


たしかに変化がない私。


変化って何?


そんな事どうでもいっか…



母親「忘れ物は!?」



私は玄関のドアを急いで開ける。



忘れ物…



何かあったっけ。



亜希と何かあった様な気が…




そう思った瞬間だった。





玄関を出た時…



目の前に知らない男2人が現れ,黒い袋を私の頭に被せられた。



あまりの急な出来事に叫び声をあげる私…





エリ「きゃあぁぁぁーーー!!!」





目の前が真っ暗になった時…



声が聞こえたんだ…










【スタートだ…。】





…………………………………………………





チョークの音が聞こえる…


先生の声が私の眠りを誘う様に聞こえてる…



亜希「エリ…エリって!!ヤバいよ…起きたほうがいいよ!!!」



私は友達の亜希の声で目をゆっくりと開け,目をこすりながら頭をあげた。



先生「安原…お前,テスト前だって言うのによく寝れるな。楽勝か?」



マジでヤバい…


まさかの世界史の多村の授業とは知らずに寝てたなんて。



エリ「あ…あの……私,寝てないです!!」


先生「寝てない!?」



やっちゃった…


テンパって何も考えずに言っちゃったよ。



先生「安原…お前は目を閉じて授業を受けるのか!!!」



「はははは……(笑)」



クラスメートが私を見て笑ってる。


かなり恥ずかしい!!!


私のイメージが崩れる音が聞こえる。




そして…


言うまでもなく…


私は赤面しながら,先生にしばらく怒られる事となる。


まぁ…しょうがないけど。


でも,今日は最低な日だよ…


一日やってけない。





…………………………………………………





エリ「はっ……。」



私はゆっくりと目を覚ます…



緑色の景色が見える。



虫の鳴き声も…



薄暗い…



夜…?



恐る恐る上半身をゆっくり起きあげる…



エリ「な…なんで私…こんな所にいるの…?」



現実に起きた事がわからないまま…


今頃になって,自分のおかれてる状況を少しずつ理解していきながら鼓動が高まっていく。



エリ「私,学校に行こうと思って…」



玄関で知らない男に連れていかれたんだ…



でも…


ここは何処なの?



私は制服についた草や土をはらいながら立ち上がった。





そして…


薄暗い中で月の光を頼りに周りを見渡す私。



私の周りにはジャングルの様な景色が一面に広がっていたんだ。



まさか…



私,拉致されたの…?



誘拐…?



でも,誰もいない…。





エリ「携帯!!」





私は携帯の事を思い出し,自分の足元に鞄がないか必死に探した。でも…見つかる訳もない。だって,あるのは生い茂った草しかなかったから…



エリ「どういう事…。なんで…私こんな所にいるの!!!誰か助けて!!!」



私の叫び声も森の木々に掻き消される様に虚しく消えていく…


何もない状況に不安や動揺が広がって,私の体を次第に震えさせていくんだ。



エリ「怖いよ…。こんなの嘘だよね。夢か何かでしょ?だってありえないもん…。」



こんな現実,あるわけがない。


そうだよ。


絶対,夢なんだ…


また私は眠って,夢を見てるんだよ。


自分に襲う恐怖と闘いながら,必死にそう思った。





その瞬間…





ピピピピ……



ピピピピ……





何かの音が聞こえる。



その音は,私のスカートのポケットから聞こえてきて…



私は必死にスカートのポケットから取り出した。



エリ「これは何…?」



ポケットの中には,iPodの様な物が入っていた。



そして文字が見えるんだ…





【キタニ ムカエ…】





北に向かえ…


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