エピローグ(1/3)
事件が解決して、俺たちは再び文化祭を回っていた。
日が暮れ、初日が終わろうとする頃、教室に戻って帰る準備をしていた次郎に声がかかった。
「次郎、呼ばれてる」
「誰に?」
「どっかのクラスの誰かさん」
「オッケ、わかった」
「わからねえぞ」
呼び出した人の顔を見ると、陽のクラスの眉村光だった。
……あれ? あいつ、顔赤くないか?
俺は次郎を呼ぶように頼まれていた生徒、浅井川正弥に訊ねた。
「なあ、浅井川。あいつ、なんて言って次郎を呼ぶように頼んできた?」
「ん? 普通に『浜くん呼んでもらえますか?』って。オレの予想だと、あれはいわゆる告白だな」
おいおいおいおい、マジかよ。こんな身近にそんなことあるのかよ。
「あの、永田くん、ちょっと話が……」
「悪い西崎、話は今度! ――もしもし彰か? 今すぐ来い。おもしれえもん見れんぞ!」
俺は空っぽのカバンを手に持って教室を駆け出た。
「――美子、そういうこともあるよ」
「ぐすん……」
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