この恋が叶うなら…
[9・別れ](1/15)

秀はあたしの誕生日にホテルのディナーを予約してくれてた。

だから、その前に別れようって言おうと思った。

さすがに申し訳ない気がしたから…


冬休みに入り
なかなか秀とも会えなかった。

玄関先で秀の帰りを待つ。

毎日アルバイトで遅かった

毎日ライン来るから大体の時間はわかってた。

今日は少し冷え込むな

あたしははぁ…っと息を手に吹いた。


「どうしたの?」


ふと顔をあげると時生がいてドキッとする。


なんとなく、あの日から色々考えてしまって連絡できないでいた。

「秀待ってるの?」

「あ……うん……」


「そか…おやすみ」

そう言うと、時生は自分の家の玄関に向かった。

「あ、時生」

時生は足を止める。

いつも思う…
時生はいいの??

嫌だとか、ムカつくとか…

行くなとか…

ヤキモチ焼かないの?

今のあたしにはそんな事聞く資格ない

「何でもない。おやすみ」



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