バトル…ロワイアル the Last Program
3[友情、激情](1/8)


あたしは、宛てもなく村の中を歩いた。


とにかく早く、誰かと合流しないと………
特に鈴は、まだ10歳なんだ。いつ誰かに襲われるとも限らない。

少なくとも、斎藤には要注意だ。 あいつは何をしでかすかわからないし………


それにしても、撃たれた傷口がずきずきと疼く。

「とりあえず、傷の手当てをしないとね……」


あたしは人気のない場所に腰を下ろし、鞄を開いた。 そういえば、色々と支給されたんだよね。どんな武器が入ってるんだろ……


手を入れると、何やら冷たいものが手に触れた。 持ち上げると、手にしっかり馴染む重量にグリップ。


「これは……サバイバルナイフ………」


少しホッとした。 もしも銃とかだったら扱い方がわからないし、そんなのを使用する気もなかった。

そして何より、ナイフは使用の用途が多い。


あたしはそれを、カバーを被せてポケットにしまい、消毒液にガーゼ、包帯を取り出す。


「うっ………イタッ………………」


滴る血を拭き取り、しっかりと消毒をして、ガーゼの上に包帯を巻く。




「これでよし………」


あたしは立ち上がり、パンパンと服を払って歩き出そうとしたその時…………


「グルルルルル…………」


「!!!」


獣らしき唸り声が聞こえた。
しかも、あちこちから………


辺りを見回すと、闇夜に光る無数の目。


「こ、これって………取り囲まれてる……野犬の群れ!?」


あたしはサッと戦闘体制に入る。 精神を研ぎ澄まし、意識を集中する。 こいつらは、群れで狩りをするタイプの野犬で、あたしの血の臭いを嗅いで来たようね…………
もっと早く治療するべきだった、油断した……!


「あたしは絶対にこんなとこじゃヤられない……食えるものなら、食ってみなさいよ!!」


声を張り上げると同時に、一斉に野犬が飛び掛かってきた………




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