バトル…ロワイアル the Last Program
10[永久の絆、無限の愛](1/8)
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「……鈴?

どうしたのよ、鈴……?」


 鈴のお腹には……小さな風穴がぽっかりと開いている。

ゴポゴポと溢れる綺麗な血が滴り落ちて……あたしの服を更に赤く紅く染め上げる。



「あたしを……あたしを置いていっちゃうの?

せっかく……生きてくれてたのに……すごく……嬉しかった…のに……

なんで、よりによってここに来たのよぉ!!!!」


返事は、ない。

穏やかな笑顔のまま、横たわった鈴は……口から絶え間なく血を吐き出すのみだった。


瞳に湛えられた、あの幼く力強い光は失せ、体はピクピクと細かく痙攣する。


よく見れば肩には血がべったりと染み付いた包帯が巻かれて、身体中は泥だらけ傷だらけ。

それを見て悟る。

鈴は鈴で、孤独に……頑張って、頑張り抜いて……生きようとしていたんだ。




 生きたかった。


鈴は、これから先も、ずっと生きていきたかったんだ。 当たり前だよ、まだ10歳なんだから。
まだまだ、人生を1割程度しか過ごしていないじゃない……


これから先……


悩み


苦しみ


悲しみ


傷付き


喜び



楽しみ


恋をして


そして、成長して……大人になっていく。


鈴はまだ……その、入り口にも立っていないのよ?

まだこれから先も……生きる事を楽しむ、権利が……

いや、義務があるのに!!


それなのに……



「何よ……何なのよ、鈴……!!

生きて……ですって!?
あんたなんかが一人前の事を言ってんじゃないわよ!!!!

あたしを庇ってあんたが死んだら……全く、意味ないのよ!!

あの時、約束したじゃない……あたし達は、二人で、1つなのよ!?

なのに……何勝手に死のうとしてるのよ!!

生きてやるわよ!! あたしは、何がなんでも!!!

だから鈴も……生きるのよ!! あたしも鈴が大好きなのよ!?
本当の妹みたいだと思って…… 鈴を見るとすごく癒されて……抱き締めるとあったかくて……
鈴が死んじゃったら、あたし……あたし……!!


絶対に……死なせないから!!!!

死んだりしたら……死んでも、赦さないんだから!!!!」



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