ダリア 〜その子ら〜
‡[氷と光 7](1/7)

扉から入ってきたのは、3人の男と1人の女だった。
女の手には粗末な食事が持たされている。


「鍵が開いていたが?」

真ん中の男が口を開いた。

「…そうですか…。気が付きませんでしたわ」


アクアの返答に、男はふんと鼻を鳴らした。

「…お前が何を企んでいるかは知らんが、ここから出られると思うなよ」


吐き捨てるように言った男を、アクアは寂しげに見上げる。


「…お兄さま…」


男はアクアを睨みつけた。

「貴様に“兄”などと呼ばれたくはないわ!」


カイ様、と2人の側近がたしなめる。

男−カイは忌々しげに男たちの手を振りほどくと、懐から手のひらほどの珠を取り出した。



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