ダリア 〜その子ら〜
‡[氷と光 1](1/7)

海賊の強襲から3日後。
氷雨を乗せた貨物船はアルバ大陸オンディーヌの港に到着した。

「本当に一人で大丈夫かい?」

クルーたちの心配をよそに、氷雨はさっさと船を降りる。

「仕方ねぇ…ああ、待てって。これ持ってけよ」

ダーツは小さな皮袋を氷雨に投げてよこした。
袋を開けると、中には数枚の金貨。

「路銀もねぇままじゃ早々に野垂れ死ぬぜ。あんたには恩がある。これくらいはさせてくれ」


…そういうものか。


氷雨は皮袋を懐にしまうと、ダーツに小さく頭を下げた。

「世話になった」



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