その1[生徒会長と私の出会い](1/6)
「ねえ優奈、生徒会長めちゃくちゃカッコいいよね〜」
全校生徒で行われる全校集会の真っ最中、隣に座っている綾香が小さな声で私に話かける。
「え、どこがカッコいいのか私にはさっぱり分からないや」
「えー!優奈ちょっと頭おかしいよ!」
頭おかしい、っておい………
生徒会長とは現在、表彰台に立ち全校生徒の前で華麗な発表をしている3年生の 九条 要 のこと。
成績優秀で容姿端麗な彼は、先生や生徒からも絶大な人気を持っている。
特に私たち後輩から先輩までの女子には憧れの存在で、みんなうっとりとした表情で生徒会長の意見を聞いている。
正直、わたしは不思議だった
この男の何処がカッコいいのか…微塵の魅力も感じないぞ、と
だいたい、ここまで完璧な男はきっと何か裏がある気がする…。
実は、めちゃくちゃ性格が悪い腹黒だ!とか
本当はアニメが大好きなオタクだった!とか
「絶対に会長は隠し事してそう」
「ちょ、優奈ってば何言ってんのよ」
あはは、と綾香は馬鹿にするように笑った
わたしは、生徒会長みたいなお高くとまった感じの男は苦手だ
いや、会長が嫌い。無理。
「……うん、絶対に無理。」
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