カラス


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--Side : 大雅--



碧を家へ帰した後。
正確には、自分から帰るって言って帰ってったが。

抗争が始まることもあり、まだ教室に居た。

俺、夏壱、なびき、龍樹のBlack幹部4人だ。




「大雅、こんな時に悪いんだけど」



「んだよ」



俺はいつにも増して、苛立ちが最高潮だった。
それは、灰皿にある吸い殻の数でわかる。
それと、今日はタバコを開けるのが3箱目。

良くない兆候だっていうのは、なびきも龍樹も知ってる。


俺も当然知ってる。




「碧ちゃんと連絡とれないんだよね」




「は?」


目の前にいるなびきはひっきりなしに電話をかけていたり、ケータイを触ってると思えば、恐ろしい一言を放ってくれた。




「電話もメールも反応なし。流石にやばい」



なびきの顔はどんどん険しくなっていく。
まさかとは思うが、あいつが人質にとられているっていう最悪の状況も考えなければならなくなった。



「龍樹」



「ん」


龍樹はソファに寝そべり、バイクの鍵を何回も宙へ放ってはキャッチしている。

これは、こいつの落ち着いてない証拠。



「お前、バイクの準備と下の奴ら動かす準備」


「了解」



すぐに、教室を出て、仲間を呼び集める行動の速さは流石だ。



「夏壱」


「はい」


「最悪を想定して。
病院とか手配頼む」



「いつもの場所っすよね」


「だな」








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