ティアスカルフェイス
[番外編「デート」](1/5)

日曜日、涙子はデートの準備をしていた。もちろん緊張して右往左往しているのは間違いない。

「だ、大丈夫かしら逢!変なとこない!?値札付いてたりしない!?寝癖は!?作ったやつは!?」

「あーもううるさい。大丈夫可愛いから。ほら、爺やさんと頑張って作ったサンドイッチ忘れないで。早く行かないとデート遅れるよ」

「そ、そうね。爺やバイク出して」

「バイクで行くな!爺やさん途中まで乗せてってあげて!」

待ち合わせ場所。そこは神道学園へと繋がる連絡橋の前にある公園。快晴で風も涼しく夏の蒸し暑さは無い。

「お、お待たせ。」

「あぁ、会長。俺も今来たと

涙子の姿を見て一護は硬直した。いつもとまるで違う可愛らしい服装に驚いていた。

「な、なにかしら」

「いや、その、か」

「か?」

「可愛い」

「あありがとう」

「よ、よし行こう。」

一護が歩き出した途端、涙子は顔を真っ赤にして右手を出していた。手を握れ、と。

ー亜宮流逢のキュンとくるポイントレッスン。歩く前に手を出しなさい。そしてあっちから握らせるのー

「か、かいちょう?」

「はやく。」

「あっはい。」

二人は恐る恐る手を握り、公園を出て橋を歩き出した。

そして場所は変わり涙子の屋敷。ソファでくつろぎながら逢は涙子達を衛星カメラから見ていた。

「は、甘すぎて砂糖吐きそう。」

「良いご趣味で」

「とかいいつつ爺やさんも気になるとくせにー」

「否定はしません。」

二人はニヤリと笑い、ブラックコーヒーを啜った。



- 107 -

前n[*][#]次n
/145 n

⇒しおり挿入


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?

[編集]

[←戻る]